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南界堂通信〈春号|第46号〉

時事ネタWATCH

神社で同性パートナーと
神前結婚式をしようとしたら…(前編)

本誌44号でも取り上げたように、「LGBT理解増進法」がようやく国会で成立したものの、保守派議員の強い抵抗があったことが指摘されています。

ケータさんとパートナー

一昨年には、自民党議員の大多数が参加する「神道政治連盟国会議員懇談会」で、「同性愛は精神の障害、または依存症」「性的少数者の性的ライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題となるから」などと記した冊子が配布されたことが報じられました。

そんな中、神社で神前結婚式を行ったケータさんにお聞きしました。「(同性パートナーと)付き合って5年になり、現在、尼崎で同居しています。尼崎市でもパートナー制度ができて、僕たちも登録しました。もともと神社めぐりや和装も好きだったので、結婚式をどうせするなら和服で神社でやりたいな、と思いました。僕たちだけでなく、ゲイの結婚式は神社でというニーズは高いと思うんです。そこで、できる神社を探したのですが、のきなみ断られてしまいました。半分くらいの神社はOKだろうと割と軽い気持ちだったのですが、結局電話したり訪問したりした神社10社連続で全て断られてしまい、ショックでした」

ケータさんは、最後に、地元の尼崎えびす神社で、昨年6月に神前結婚式をあげることができました。

「結婚式の反響は大きく、たくさんの方が祝福してくれました。東京のウェディング会社からもフォトウェディングの誘いを受けました。パートナーはクローゼットだったのですが、結婚式を機に家族にカムアウトして、受け入れてくれました。僕も彼の実家に行けて、彼のお父さんが『息子になってくれてありがとう』と言ってくれたのが嬉しかったです」

ケータさんとパートナー

「尼崎えびす神社の宮司さんは、女性で、元CAで外国の文化にも精通している方でした。多様性に対する理解があったんです。神社主催の伊勢神宮へのバスツアーにも参加しました。楽しかったです。こうしたつながりを大切にしていきたいです」

「神社はパワースポット」と語る幸せいっぱいのケータさん達ですが 、それにしても、多くの神社が同性の結婚式を拒否するという背景には、何があるのでしょうか─次号では更に深掘りしていきます(後編に続く)。

LGBTQ+のグリーフケアのサイトが立ち上がる
LGBTQ+のグリーフケアのサイト

「プライドハウス東京」のサイトに、「LGBTQ+死別体験者のわかちあいの会」のページが立ち上がりました。月一回、LGBTQでパートナー等を亡くした方の集まりが開かれており(オンラインも併用)、その参加者を中心に作られたとのことです。

「病気や不慮の事故、あるいは自死などで大切なパートナー等を亡くした経験を持つLGBTQの方もいらっしゃることでしょう。異性のパートナーであったり、親きょうだいであれば、家族や親族、同僚や地域コミュニティの方が支援してくださることでしょうが、カミングアウトが困難だったり親族の理解が得られないなかで同性パートナーと連れ添ってきた方の場合、必ずしも支援が得られなかったり、誰にも悲しみを打ち明けることができなかったりするかもしれません。

LGBTQ+のグリーフケアのサイト

プライドハウス東京やNPO法人パープル・ハンズでは、大切な人を亡くした悲しみや喪失感を誰かと共有することで傷を癒したりする「グリーフワーク」の活動が始まっています」とのことで、実際に同性パートナー等を亡くした方たちの体験記も掲載されています。

私たちLGBTQ+コミュニティのメンバーは、決して独りではありません。つらいとき、困ったときにも、必ず相談できる場がありますし、それは大切な人を亡くすというこのうえない悲劇に見舞われた方であっても、同様です」という言葉もあり、胸に響きました。

報告
「『南界堂通信』と梅田政宏さん」展

昨年秋、コミュニティセンターdistaで開催された「『南界堂通信』と梅田政宏さん」展、多数の方が来場頂きました。アンケート回答からいくつかご紹介します。

「梅田政宏さんと『南界堂通信』」展

●「梅田さんのことを思い出し、もう一度会いたいと思ってしまった。梅田さんが積み重ねて下さったことを忘れないための大切な展示だと思いました」

●「梅田さんの軌跡が改めて伝わってきました。同じ「釜ヶ崎」「介護」「ゲイ」というテーマでも、様々な角度からインタビューに答えていたんだなと、梅田さんがしのばれました」

●「梅田さんの思いや行動されてきた事が、梅田さん亡き後も受け継がれていく事が大切だと思いました」

本誌も、梅田さんの志を引き継ぎ、LGBTQやHIV+の生活UPのための情報を発信していきたいと改めて思いました。

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