男朋友
「9monsters」のスタッフさんにお話を伺いました!
MASH大阪(以下M):ナイモンを起ち上げてどれくらいになりますか?
9:2011年5月にアンドロイド版、8月にアップル版をリリースしたので6年目になります。
M:数ある出会い系アプリとナイモンの大きな違いは?
9:「レベル」や「属性」といったゲーム感覚を取り込んでいるところだと思います。外見を形容する言葉として「サル顔」「イヌ顔」「クマ系」という呼び方がありましたが、そのあたりを9個のカテゴリーに分類し「属性」という表現にしたことで、出会うだけではなく楽しんでもらえるアプリにしたところでしょうか。「レベル」というのは相手からブリーディング(いいね!)してもらう事によって上がっていく人気指数のようなもの。「属性」に関しては自分が決めるのではなく、ブリーディングされた相手によって決定されるので、そのあたりも面白さのひとつとして大きな特徴だと思います。
M:リリースした当初の反響はどんな感じでしたか?
9:私の肌感覚ではありますが、ゲーム感覚を取り入れたことで流行もの好きの若者層にウケるかと思いきや、上野や新橋のゲイバーに飲みに出ている40代50代、しかも少しカラダの大きな方を中心に盛り上がっていたように思います。
M:登録者数の変動はどんな感じでしたか?
9:開始して1年目は10,000人くらいの登録者だったのですが、2013年頃でしょうか、ツイッターなどSNSで宣伝して下さる方も現れ、認知度がどんどん上がると共に、登録者数も爆発的に増えていきました。既存の出会い系アプリに追いついたかな?追い越すことができたかな?と感じるようになったのもこの頃です。現在では海外ユーザーも含め約40万人の方が登録して下さっています。
M:それだけ大きな規模になると運営側としても大変な事が多いのでは?
9:そうですね。さきほどの想定外の年齢層にウケた事もそうですが、始めたばかりの頃はとにかく行き当たりばったりの感覚でした。最近になってようやく長期的な展望を抱く余裕を持てるようになりました。
M:ぷれいす東京の生島さんと協力し、大々的にアンケート調査も実施されていますね。
9:せっかくゲイ向けのアプリを開発したのだから、ゲイコミュニティの為に何かをしたいという気持ちがありました。我々のアプリにしかできないこともあるはずなのに何をどうやればいいか悩んでいた時に、アンケート調査の依頼を受けて「これだ!」と思いました。
M:それはどういった点で?
9:ゲイバーやハッテン場などがない地域も日本にはたくさんありますが、アプリの登録者は全国津々浦々に散在しています。都会であろうが田舎であろうが登録者は確実に存在しているので、参加して下さるかどうかは別にして、全国的なアンケート調査には打ってつけだと思いました。
M:実際に調査に協力してどんな実感を持たれましたか?
9:広告バナーでアンケート調査の広報をし、アンケートページへ誘導するという役割を担いましたが、短期間で多くの方がアンケートに協力して頂けた事は素直に嬉しく思います。
M:アンケート調査の結果をご覧になってどんな感想を持たれましたか?
9:私自身、実生活においてもHIVの話題は割と身近にあったのですが、ゲイコミュニティと薬物問題がこんなにも密接だという事に驚きが大きかったです。HIVにしても薬物使用にしても、なかなか打ち明ける事が難しい問題だとは思いますが、アンケート調査ではそのあたりにも踏み込んで質問しているので、リアイリティのある調査結果が出たように思います。
M:実際にアプリを運営していて薬物問題に直面する事もありますか?
9:アプリを介して薬物の誘惑がある事は把握していますし、現実問題として警察から捜査協力を求められる事もあります。我々としても警察とうまく連携しながら運営しています。
M:他に何か思いがけない問題などありましたか?
9:世間的にも問題視されていますが、リベンジポルノに関する相談は増えているように思います。最初はアプリを介して仲良くなり、その内にメールなどで卑猥な画像交換をする。些細な事をきっかけに怨恨関係に陥り、仕返しとして画像と共にある事ない事が晒されるといった相談です。我々としてはその問題を起こした方のアカウントを削除する事しかできません。それでも被害者にとっては名誉棄損なども含まれてくるので、その場合は被害届を出し、警察の介入ということになります。
M:警察と連携が取れていることはある意味強みでもあるかもしれませんね。最後に今後の展望などをお伺いできますか?
9:「出会い系」と一言でいっても、友達募集、恋人募集、その場限りの相手募集と使い方は人それぞれ違うと思います。そこにゲイコミュニティに特化した情報を発信していく事で、出会う為だけではなく情報を得る目的で利用する方が増える事を願っています。これまでゲイバーやハッテン場がなく情報に乏しかった人たちにも最新情報を届ける事が出来るのは我々にとって喜びでもあり強みだと思います。そこにGPS機能を付ける事によって、身近にあるゲイバーやHIV検査場を検索できるような仕組みを構築し、ゲイのためポータブルサイトのような存在になっていければいいなと思っています。
M:貴重なお話ありがとうございました。
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