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南界堂通信〈秋号|第20号〉

男朋友

鍛え上げられた肉体美にちょっとした「華」を添えるパンツの世界を演出するアパレルメーカー、
EGDEの社長の周藤真治さんに突撃インタビュー!
エッジの効いた下着で勝負を仕掛ける…

ここ数年、実用性だけではないオシャレでセクシーな下着ブームが巻き起こる中、
エッジの効いた商品展開で我々をアッと言わせているEGDE商品。その秘密に迫ります。

MASH大阪(以下M):ここ数年、男性向け下着のバリエーションが随分広がった印象がありますが……

周藤:そうですね、ゲイは昔からそうだったんですけれど、ノンケさんがセクシーな自分に開眼したというか、ジムなどで自分のカラダをセクシーに見せたい、と思うようになったのが大きいと思います。でも、父から会社を継いだときは、靴下メインのアパレルメーカーだったんですよ。

M:それが、文字通りエッジの立った男性下着メーカーに変貌したのは?

周藤:大学を出て、父の会社を継ぐ前に女性向け下着の販売会社でしばらく働いていたのですが、そのときベビードールの存在を知ったのが大きかった。女のセクシーさをこれでもか!って打ち出すタイプの下着ですよね。その後、会社を継いでから、男の色気を前面に打ち出す下着を売りに出せないか、って考え始めたんです。5年くらい細々とやっていたんですが、それが阪急メンズ館に入ることになって、「よし、これからは男性向けセクシーな下着メインでやっていこう!」って決心した。

M:その男性向けセクシーな下着をデザインするのは周藤さん?

周藤:いえ、私の役割は「こんなんあったらいいのになぁ…」というアイデア出しですね。スポーツマンやGOGOBOYのようにガタイのいい男に似合うもの、穿いてほしいものを考えて、それをクリエイターチームで「こういう色にしたい」とか、「この辺に○○が欲しい」とか、詰めていきます。それをデザイナーが製品のかたちに落とし込んでいって、工場に渡す。場合によっては工場からデザインのアイデアをいただくこともあります。二年ほど前「フンドシ型パンツをつくりませんか?」とパフォーマーの方から提案いただいたんですが、その時は時期尚早と判断して見送りました。最近になって、「日本男児」を縫い取りして出してみたらこれが大当たり!「フンドシ」というかたちと「日本男児」というコンセプトが結びついて斬新なヒット商品が生まれた成功例だと思っています。

▲モデルのざわちん君からコメント
私はタイトなデザインを非常に好みます!ですが下半身がガッチリしているので、普段は少しゆったりしたモノを履いています。もっとオシャレな下着を履きたい…という私にピッタリのアンダーウェアEGDE!見た目は勿論のことタイトでスタイリッシュ!さらに機能性も兼ね備えている私の求めていた最高の一品です!

M:ネット上でも販売されていますが、顧客層は?

周藤:男性のお客様が多いですが、売上の1割が海外ですね。一番多いのが中国、それから台湾、香港、米国、韓国、タイ、と続きます。

M:製造はメイド・イン・ジャパンにこだわっているとお聞きしました。

周藤:製品の多くが、股上の浅い、ピチピチのパンツですから、“目飛び”(ほつれの元になる縫製上の難)があると困る。日本の工場で作られるものはもともと目飛びが少ないし、あったとしてもすぐ修正できる。あと、日本製の良さを発信していきたいというのも大きいです。

M:どんな方たちに穿いてほしいと?

周藤:ゲイ、ノンケを問わず、自分をセクシーに見せたい男たちに穿いてほしいですね。そうしたマーケットは小さいのかもしれませんが、自分たちの好きなものに共感して下さる方が買ってくれれば嬉しい。

M:最近のLGBTブームをどうご覧になっていますか?

周藤:いま、どの企業もゲイをマーケットとして捉えはじめていますから、ここ5年くらいでしょうか、アドバイスを求められることが多くなりました。いい時代になったと思います。ただ、マーケティングの戦略を練るのは楽しいのですが、時代の変化が激しくて大変ですね(笑)。予測がつかない。ゲイイベントにも積極的に参加して、アンテナを磨いておかないと。もとより芸術やファッション業界はLGBTがリードしていると言われますが、これからもっとあらゆる業界でLGBTならではの発想とクリエイティブ性が認められる世界になれば良いなと思います。

M:貴重なお話、どうもありがとうございました。

自らを「ポジティブ人間」と呼ぶ周藤さん。常に手探り状態で仕事をしながらも、ちょっとした発想の転換でデメリットがメリットに変わるという化学反応を心の底から楽しんでいる。何が起こるか分からない「モノづくり」の楽しさを噛みしめつつ、これからもエッジの効いた作品(下着)でアッと言わせてくれるだろう…

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